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Parisで活性化する“クレオール・ジャズ”に小沼ようすけが 自らの音楽性を投じて創り出したギタージャズの新境地。 Jam Ka=“Ka(グオッカ・ドラム)とジャムる”という意味で「ジャム・カ」 小沼ようすけ待望の新作は、カリブ海に浮かぶフランス海外県グアドループ の民族リズム“グオッカ”を採り入れた「Jam Ka」(2010)の続編。 |
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Parisで活性化する“クレオール・ジャズ”に小沼ようすけが 自らの音楽性を投じて創り出したギタージャズの新境地。 Jam Ka=“Ka(グオッカ・ドラム)とジャムる”という意味で「ジャム・カ」 小沼ようすけ待望の新作は、カリブ海に浮かぶフランス海外県グアドループ の民族リズム“グオッカ”を採り入れた「Jam Ka」(2010)の続編。 |
小沼ようすけ “ Jam Ka Deux ” |
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Yosuke Onuma Jam Ka Quartet "Flowing" @ Sunside,Paris Yosuke Onuma Jam Ka Quartet "Fellows" @ Sunside,Paris Yosuke Onuma " Ti Punch " @ Sunset, Paris |
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BSフジ<MUSIC:S>『YOSUKE ONUMA “Jam Ka Deux” Live at BLUE NOTE TOKYO』 (2017年7月15日放送) |
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「Talking about "Jam Ka Deux” from the musicians」 レコーディング直後に収録した参加ミュージシャン達からのメッセージ グアドループの民族リズムグオッカのスタイル〜このプロジェクトについてetc.. ParisのJazz club ”SUNSET”でのライブの模様。 |
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「Yosuke Onuma in Guadeloupe」 小沼ようすけがリズムに惹かれ辿り着いたカリブ海に浮かぶ フランス海外県”グアドループ島”での滞在記録。 |
Personnel |
Yosuke Onuma (guitar) Reggie Washington (bass) Arnaud Dolmen (drums, ka & vocal) Olivier Juste (ka) Sonny Troupé (ka on 4, 9 & 12) Grégory Privat (piano & Fender Rhodes on 1, 2, 4 &12) Hervé Samb (guitar on 9) Joe Powers (harmonica on 9) Simone Schwarz-bart (poetry reading on 11) Jacques Schwarz-bart (produce,guitar on 13) |
越境するギタリスト小沼ようすけ
クレオール・ジャズとの出会い、発展
カリブ海の島々は、それぞれ独特の文化を持っている。島で発達したリズムも異なっている。英国領のジャマイカではレゲエ、スペイン領のキューバ、ドミニカ共和国ではサルサ、アメリカ領のプエルトリコもまた独特のラテンポップスを生み出してきた。そのような中でフランス領のグアドゥループ、マルティニークの音楽については、ほとんど全く知られてこなかった。カリブの島の黒人奴隷のストーリーは、アメリカと酷似していて、その音楽の発展もアメリカ南部のそれと同様の経緯を辿っている。無造作にアフリカ全土から集められた奴隷たちは、一口に「黒人」として括られたのだが、実際のところ、異なる言語を話し、意思疎通が全く取れなかった。彼らはやがてマスターの目を逃れて森の中に逃げ込み、太鼓や踊り、歌でコミュニケーションを図るようになっていく。アメリカ南部でブルースが発展した過程と全く同じである。ただ、カリブの島々は、それぞれ独立した島であったために、島同士のコミュニケーション手段は皆無で、小さい島のなかでそれぞれ独自の発展をしていった。ジャマイカはアメリカからのラジオ放送を受信することができて、ラジオから流れるブルースに影響されてレゲエが発展していったらしい。英国アイランド・レコード社長であったクリス・ブラックウェルがジャマイカ出身で、ボブ・マーリーを見いだしたことなどもレゲエの浸透に影響している。北米大陸から比較的離れているグアドゥループにはそのような機会はなく、クリス・ブラックウェルのような存在にも恵まれなかった。グアドゥループは孤立した島のなかで、独自のグルーヴを発展させていった。 |
Olivier Juste | |
グアドゥループで発展したリズムは“グォッカ”と呼ばれ、グアドゥループ島では当たり前に親しまれている。アフリカン・ジャンベを世界に広めた最重要人物ママディ・ケイタから直接聞いたところによると、“グォッカ”は「ジャンベの弟」のようなものだそうだ。kaと呼ばれるグォッカで使用されるパーカッションはジャンベと形が酷似している。アフリカン・ジャンベがジャンベ、ドゥンドゥンなど五人編成が基本フォーマットであるのに対して、グォッカはパーカッション二人で構成される。今作でもオリヴィエ・ジュストとアーノウ・ドルメンの息のあった2人によるシンクロするパーカッションサウンドを聞くことができる。グォッカには基本となる7つのリズムがあり、現代のグォッカ・マスターたちはその7つを基に独自のリズムを曲によって開発する。「Jam Ka Deux」でもソニー・トルーペは曲にあったリズムパターンをレコーディング時に創作していた。 |
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Sonny Troupé |
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7つのリズムは下記。 ・トゥーンブラック(幸せ、愛、良いムードの表現) ・カランジャ(心の痛み、哀しみ) ・ウレ(マニオク(芋の種類)を育てる時に使われていたリズム) ・パッジョンベラ(クレオール版ワルツ) ・メンデ(速いリズム。逃避とパーティ。カーニバルの誘い) ・ガラージ(トゥーンブラックよりも遅いリズムで、サトウキビの収穫をイメージ) ・レウォーズ(基本リズム。リズム名はkaに敬意を表して名付けられた) |
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ソニーの父グレゴリー・トルーペは、キンボルというグループ(後に音楽学校名として今日にまで至る)を30年以上前に結成して、演奏活動をおこなってきた。現在ではソニーがキンボルを継いで学校経営と演奏活動を続けている。アメリカのジャズ界でグォッカに関心を持ったのは、サックス奏者デヴィッド・マレイ唯一人で、キンボルとのコラボレーションを数点残している。その他にもギタリストのクリスチャン・ラヴィソを初め、グアドゥループ出身でグォッカとジャズをミクスチュアしたアーティストは現れたが、革新的な動きは、2007年に「ソ・ネ・カラ」をリリースした同島出身のサックス奏者ジャック・シュワルツバルトの登場を待たなければならない。 |
Simone Schwarz-bart & Jacques Schwarz-bart |
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Grégory Privat |
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Hervé Samb |
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Reggie Washington |
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Joe Powers |
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今作収録曲はすべて魅力的な曲だが、特に「モアイズ・ティハイ」のソロでの型にはまらない自由なインプロヴィゼーション、「ジ・エレメンツ」のアンサンブルの美しさ、「ティ・ポンシュ」のすべてにおいてで、小沼は新たな境地に到達している。フレットレスギターを用いた「デュオ・カ」、1人ループ多重録音の「グラデーション・パート3」、リラックスしたブルース・セッション「フェローズ」、アーノウが歌う「ソンゲ・ムウェン( I Remember )」など、他の収録曲も表現の幅が広い。ギターヒーロー然とした我を押し通すことをクールとしない、ギターを表現手段とした音楽家=小沼ようすけのトータルな世界観が表現されている。この世界観は「変容するブルー」を表現したアートワークにも同時に示されている。 今作は、小沼ようすけのデビュー15周年を記念して設立されたプライベート・レーベル「Flyway LABEL」よりリリースされる。フライウェイは「渡り鳥の空路」という意味で、レーベル名は海洋民族である日本人小沼洋介が、太平洋、大西洋を越えて、様々な世界と結びついていく心意気を表現している。 松永誠一郎 in New York Sep. 11th, 2016 |